2016年12月 youはどうしてモロッコへ２-空港からシェフシャウエンへ-@1st

宿に着くのは早くて5時間半後かな？

車はちゃんとした四駆。←これは実際の大門の車です。
乗りここちは悪くない。でも臭ぇ。なんだこの家のワンコのトイレのような臭いは？もう吐きそう。ここにくるまでの心労、体調の悪さにいろんなことが許容範囲外。普段なら臭えくらいは海外あるある！異国情緒としか思わないのに〜
とは言え、ホテルまでの短い時間の辛抱だから我慢すればいいこと。気を取り直して恐る恐る大門に話しかけます。

ねえ大門…さん、ホテルに着くのは何時ころですか？

「ここからだと急いでも５時間はかかるかも」

聞き間違いですかー？
5？5？時間？行程表にはんなこと書いてないですよ？

実はアタクシ、本当にモロッコなんて全く興味もなく、ただただ行ったことないところに行きたい一心で「なんとなく聞いた事がある」っつーだけで選んだ国。

旅程も大門率いるツアーエージェントに完全丸投げで作ってもらってただけ。全く予備知識も距離感なし。仕事も忙しかったから事前リサーチほぼなし！

２４時間以上飛行機乗って来たのに、そっからさらに５時間以上の移動をぶっ込んでくるツアーエージェントなんてあり得ます？あり得ます？日本人が関わってるって言うから安心してお任せしてたのに、そんなキチガイ、狂気の沙汰の旅程を想定できますか？！

モロッコ人の英語ってすんごい独特なので全然聞き取れないから…そうそう、そのせい、私の聞き間違い。

Google マップでは２時間って表示だし、うんうん、英語が苦手なのもお互いさま♡
だもんで多分言い間違え？くらいに一縷の望みを持って再度質問です。「ホテルに着くのは何時でしょうか？」

「は？だから20時は過ぎるって言ってんだろ。。。。（今は14時過ぎ）」

絶望ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もう疲れた。はぁ。疲れた。すんまへん大門さん。出会って初っ端ですが、寝かせてもらいます。。。せっかくの初めてモロッコの景色を堪能する余裕も全くなく、後部座席で横になって眠ろうと試みますが…

ってこれも無理ーーーーーーーーーーーーーーーーー

噂には聞いてたけど、モロッコ人ってここまで運転荒いもん？大門だけ特別？吐き気を紛らわすために眺めた流れる車窓には大門車と同じ速さで流れる車の大群…後部座席に座るでっかい私のお尻がバウンドするほど高速道路を駆け抜ける。これが５時間？５時間？はあああああああああああああ？？？？？

眠ることも無事に日本の帰ることも半ば諦めwww気をとりなおして大門と話すことにしました。うっかり７日間のツアーを組んでしまったせいで、否が応でも長いお付き合いになるので…襲われないように媚くらいは売っておこう。

サハラ住人は子沢山

…疲れた体にはそんなゲすいトークは染みてきませんわい。本気のぐったりで、、、無視してやろうと言うよりも、マジで何も絞り出せない絶望感に打ちひしがれておりました。そんな機微をサハラの種馬、大門が気付くはずもなく容赦無くマシンガンかましてきます。

意味通じてる？お前、、、、もしかして子供？テレビないから娯楽ないからって…意味通じてない？～

…ファンナイトでロングナイトってことでしょ？

…みなさん、帰りたくなりませんか？これが大門の掴み、鉄板トークなんでしょうか？

エージェントからはお墨付きのドライバーってことで紹介されたけど、これってモロッコクオリティ？
私結構こいつダメ、無理かも…ってこのゲストークで終わったら本気で７日間が嫌悪で終わりそう。気を取り直して「普通」のトークを試みる私です。

…うわー。私の質問の答えの濃度は薄いのに自慢の濃度が高過ぎるぅ。

このあたりで私の中で大門さんとの距離感確定。今でいうソーシャル、メンタルディスタンス確保。

…１００００％大門都合の休憩とあいなりました。

忖度なんていらないけど、いちいち私をディスってくるわ、５時間以上かかるって言ってんのにしょっぱなから30分も休憩するわ。しかも私、初めてのモロッコ、初めてのアフリカ大陸、初めてのイスラム圏なんすけどーーーーーーーーなのに全くフォローしてくんないし、大丈夫？でもない。マックがあったのはビックリだけど、具合悪くて何も喉も通らない。トイレ休憩だってあの怖ぇえ顔には言い出しにくいし…

何を隠そう、私は英語、生きててほっとんど使ったことないんですよう。日本でちょろっと英会話教室にかよってる程度で語学力は相当低い。出川の英語、ほんと笑えないlevelなんです。

肝心のマックに行っても、英語が通じるかどうかドキドキしならがカッフィーカッフィーってコーヒー頼むのに命がけ。コーヒー以外頼み方が分からなくて、全然飲みたくもない苦い煮詰まったコーヒーを飲みながら、「もしかして置いていかれるかも」とも真剣に怯えてました。ここで怒らせたら…山中に置き去りとか？それはいやーっ！！！おいていかないでぇぇぇ！！っと、見たくもない大門を常に目の端で探して捕まえて、時間を過ごします。

大門ってば意外と若そうなんも…なんかいや。チャーターのドライバーと言えば、日本のタクシーと同じ感じを想像してて勝手に50代が来ると思ってた。だからなおさらこの若さも私の大門への不信感につながるわけですよ。仕事の経験不足なんじゃねーの？

そんな不安と懐疑心でいっぱいの私とは知らず、その後無事大門は私をピックアップ。一路ひたすら目的地に向かうまでは大門の暴走運転に耐える４時間。
…って、私自分でも忘れてたんですが…車酔いのスペシャリスト。さらに具合の悪さに拍車がかけられて色々耐えきれない思い爆発。本当はブッチギレてるのに異国で不貞腐れる勇気もなく、じっと外を眺めて微動だにしない私を察してか、なんとなく大門がチラチラ私を振り返って確認します。

あーゆーおーけー？

って大門、オーケーじゃねーっすよ…お前のせいで…

とも言えず、「オーケー」と小声で一言返すだけ。あとはひたすら自分と戦うだけに集中することでこの日は終了。

初日は一言「辛かった」だけでした。

目的地のシェフシャウエンに到着したのは21時前。くしくも大門の読み通り。疲れているのに緊張していて全然眠くならないという最悪のコンディションで宿にチェックインしたのでした。