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youはどうしてモロッコへ9-サハラに住むという現実を知る-@1st

朝起きて窓から見える景色がこれっすよ!まじで感動。

念願のサハラにいる!!!!

大門と別れて部屋に戻っても落ち着かない。

なんだか自分でも理由がわかるような、でもその理由に気が付かない方がいいような気がして。

そんなことをグルグル考えていると全然眠れなかったんだけど、次の日はモロッコ旅行のメインイベント、
「ラクダに乗ってサハラのキャンプ場まで行って、そのまま宿泊」!!!

さぞ楽しみに違いない!と思ってたのに、全然テンションあがんねえ。
とうとう行程の半分を過ぎてしまった。大門との旅、モロッコの旅のピークは過ぎた。
その事実がむしろ私をなえさせてしまっていた。

ばか!今を楽しめ!!!!!

とりあえずホテルの周りを散策してみた。

プールサイドの奥に見える砂漠というシチュエーションに悶えたり、
木にのぼるねこを愛でてみたり、
お部屋を堪能したり。

こんな非日常にいるのに、地平線に広がるサハラをみて、なぜか涙が止まらない私。。。。。
とっちらかった自分を整理できないまま、ただひたすら大門との約束の時間を待つのでした。

時間どおりに現れた大門はヒゲが濃くなっててグラサンが似合い過ぎてて
要はかっこよ過ぎて草

やっべーーーーーーーーー
テンション爆上げ!!!!
シンプルに「大門に会えて嬉しい!」

つか濃い。顔が濃い。声も相変わらずデカい。うほーい!やっぱりこの旅には大門が必須じゃい!!!

ご機嫌に大門の車に乗り込んだ私。
今日のツアー内容は、砂漠をひたすら眺めながらどこかへ連れて行かれるようです。
普通に聞いたら拉致監禁wwこの頃にはこのざっくりの内容も全く気にならない自分の順応性の高さがグッジョブw

こんな↓感じの道なきを行く駆け落ち、、、ならぬ観光ツアーです。

ここからの大門との会話が私の人生を変えた

ツアー4日目にして、ポツポツ大門も自分から話し出します。
というか、やっと自分がガイドだということを思い出したようですw

あっちの砂漠の山の裏は、もうアルジェリアなんだよ。
砂の成分によって実は砂漠の景色も違って見えるんだ。アルジェリアのあたりは砂漠が赤く見えるし、他の地域は黒っぽく見えたりもする。
でも、この辺りの砂は黄色くて美しいと思わないか?
観光客は、砂漠が全部この景色だと思ってるけどそうじゃない。限られたごく一部だけ。

この美しさはここだけだ。

そんな話を耳にしながら、自分が今、アフリカ大陸の砂漠のど真ん中に居て、しかも一緒にいるのが
この土地のジモティの男(日本語不可)って、、、、
われながらスゲーシチュエーションだなwwww

わたしには非日常だけど、大門にとってはこの景色が日常なんだよね。
なんていうか、、、、、本当に面白いくらい共通点がないのにこんなに長く一緒にいるって。。。
うー、旅って本当に不思議だよね。

ってそうだ。大門、ここのジモティってことは、この近くにご家族もいるってことだよね。
空港に迎えに来てくれた時のしょーもねえ下ネタのときに、そんなこといったてたような。

大門、サハラ砂漠があなたの地元なわけだよね。砂漠はやることないってさんざん言ってたの、、、
忘れやしねえって。

そ。俺の地元。
さっきから気になってんだけど、
お前さっきからサハラ「砂漠」っていうやん?
(英語で「サハラデザート」と言っていた私。)
サハラって言葉自体がアラビア語で「砂漠」っていう意味なわけ。
だからただサハラっていえばおけ。

つーことは、この地域の名前が「サハラ」ってわけじゃないのもわかるよな。
砂漠は全部「サハラ」なの。

ほうほう。韓国語のチゲ鍋と一緒ってことね(なんのこっちゃ)

観光客はサハラといったらラクダ!みたいな認識だけど、
野生のラクダなんていやしないんだ。元からいたんじゃない。
お前がこれから乗るラクダも、単に観光用に飼育されたものなんだ。

ラクダの飼育は大事なサハラの基幹産業。
ラクダのほとんどがこの近くに住む集落のベルベル人のもので、ラクダを乗って砂漠の散歩ツアーみたいな企画をやってるホテルにラクダをかしているんだ。

キャメルライドのイベントなんかで使われるホテルのラクダは全部レンタル。
このレンタル業というのがベルベル人には貴重な収入源となっているんだ。

でもお前は生活していけるだろ?
お前がいう「使い過ぎ」のおかげでお前にものを売った村の人間はそれで生きていけるんだ。

…いや、おれが小さい時には父が持っていたけどね。世話が大変で売ってしまった。

そんなにラクダの世話って大変なんだねえ。
じゃあ今お父様は何されてるの?

何もしてない。

今は俺が稼いでるから家にいるだけだよ。

なんか突然ナイフで刺されたように胸がズキっと傷んだ。

この言葉を聞いたら、ね。

モロッコに来る前に、私、観光地調べる前になぜかイスラム教を勉強していたんです。(そっち?)
確か…家督を受け継いだ男性が一家の面倒の一切合切を全力で見るんじゃなかったっけ?

……今の発言、、、、もしや大門はその立場なのか???

何と無くデリケートなところを不意に触れちゃった気がしてしょんぼり。大門が何かを背負っている。それを感じてしまった瞬間でした。
そんな私を横目に大門は話を続けます。

サハラの集落にはいくつかのグループがあるんだけど、
お互い争うことなく、むしろその中で強力に結びついて生活しているんだ。
そうしなければサハラでは生きていけない。サハラで生きるということは、それだけ厳しいものなんだ。

…その中からは逃れられないけど、その代わり、何があってもお互い助け合っているんだよ。

…大門はさ、その掟から出たいとかは思わないの?

もう大門は私の質問には答えなかった。
何とも言えない縛られたものを感じたから、思わず聞いてしまったけれども。

もともとベルベル人はラクダで生計を立てていたけど、その方法は時代とともに変化しているという。

最初は単なる家畜としてだったラクダは、次第に観光客向けのツアーのメインとしてレンタルの対象となっていった。文章に書くと簡単だけど、その変化は凄まじかったはず。
でも、ガッチガチに掟に縛られてるイメージの割に、変化は拒まず、むしろ受け入れて生きている。

大門は世の中が変化していくのは当たり前だからそれはそれで受け入れていくんだけど、
結果、ベルベル人の生活は観光産業に偏って依存してしまっている。
大門はそう言って次に繋げます。

だから、砂漠にきて観光客がお金を使ってくれないと…彼らは生きられない。

………あーーーーーーーーー
そういうオチですか。そうですか。。。。
…あのー。これから私その「観光業に従事しているベルベル人の集落」を回るんですよね?
つまり、は私になんか買えってことっすか。

あまりに露骨すぎたおねだりに、普通なら遠慮して欲しい話題だったなーとしか思わないんだけど、
この時はサハラマジックなのか大門に浮かれていたのか、
そのリアルな貧しさを目の当たりにして、勝手に申し訳ない気持ちになっていた。
ああ、これって典型的なデート商法にひっかかったやつじゃんねえ。

この時の私は、そんな風に自分を客観視なんてできやしかった。
もう忍法憐れみの術にまんまとかかってもうたわい。

「いらないなら買わなくていい。もし気に入ったら買ってほしい」

その大門の言葉は私にとって脅迫だった。

大門の思いに応えたい気持ちもあるし、
本当にボランティアのつもりで割高で何か買ってもいいとも思った。
でも、その考え自体がなんか上から目線なんじゃないか。

とどのつまり、私と大門のいる世界って全然交われないってこと。
わたしが何かモロッコに落とす立場である以上、大門とも分かり合えないのも当然の流れなのかも。

って無理して買おうとせんでも、私も買うと事前に決めていたものはあったばい。
擦り切れたソファの上に敷くラグとアルガンオイル。

どうせ買うなら、、、っってことで大門が連れてった先で買うことにした。
大門曰く、中間マージンが入ってないから私も安く買えるし、
ベルベル側も多少のディスカウントしても俄然実入りがいいんだって。

大門、、、、とはいえ結構お金使い過ぎちゃったよぅ。この後の旅は倹約して行かないと!!!

でもお前は生活していけるだろ?
お前がいう「使い過ぎ」のおかげでお前にものを売った村の人間はそれで生きていけるんだ。

必死の「ほら、お前のお望み通り買ったで!」アピールだったんですけど。

お前のその少しの無駄遣いが、サハラに住む村人の生活の一助になったのは事実だ。

固い!ほんとに大門かっちかち!いちいち真面目か!!!!

そんなに買ってくれたの?嬉しいねーとかさ、
ありがとーとかさ。

お前は客を気持ちよくさせようって気がないのかよ。ってこいつにはそういうのないのはわいもわかっとるやんけ!

大門っておちゃらけてんのか、クッソ真面目なのか、ようわからん。

初日のシモ全開の陽気なイメージから、どんどんどんどん大門の抱えてるモノが小さいものではないことを感じるようになって、
なんだか自分の立場で大門と同じ車内にいることにとっても居た堪れない気分になってきた。

なんだろう。本当に頭ぐちゃ。
私より年下なのに、なんというか「宿命から逃げていない」感じが眩しくも見える。
なのに時折感じさせる哀愁。
つか青年が背中で哀愁出してくるなんて、、、モロッコ、、、どんな国だよ。。。。。。。

そんなことを考えていると、あれよという間にリッサニへと移動します。

リッサニはサハラの入口に位置し、大きなスーク(市場)が有名だそうです。
週3回だけスークはオープンするそうで、たまたまこの日は開催日。
運よく市場を見学できっちゅーことで、こういうローカルを覗くのが大好きな私は大興奮!

大門とのトークで
ちょっと落ちてるテンションを上げられるかも!と思って市場到着をワクワクして待つのでした。

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